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無慈悲なくーなな

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□ 短編 □

ワルイコトシタイ短文

GFX00731
GFX00731 / Zengame


毎年、白羽家に七王宛に届く年賀状を選別するのは昔から君子の役目だった。

親戚、友人、ゼミの大学教授、マッサージの先生、その他諸々─。
ざっと見て今年も同じことを君子は思う。

差出人は「男」が異様に多い。

何故か弟には昔から「男」を引き寄せる独特の魔力というか、魅力があるらしい。

(それはそれで困ったものね…)
ふぅ…と君子は人知れず頬に手をあてて、ひっそりと溜息を吐いた。

特に住所を知らせてないにも関わらず、見知らぬ男から七王宛に届くアプローチ年賀状は本人が目にする前に君子が処分している。
これらは危険人物として君子の頭にインプットされ、しっかり事前に追い払っているのだ。
(※ちなみに、どんな方法を使っているかは秘密である)

しかし可愛い弟が、付き合っている久遠と同棲してからは、その役目を彼にバトンタッチしてもいいかもしれないわねと、君子は秘かに思っていた。

─それから程なくして、正月から眉間にこれ以上ない程皺を寄せて、七王宛のアプローチ年賀状を握りしめ、ワナワナする相川久遠がいたとかいないとか。

Fin
Top view of lilac flower in a plate. Spring concept.
Top view of lilac flower in a plate. Spring concept. / wuestenigel
カチャカチャと、食器の音がする。

キッチンで久遠が皿を洗っている音だ。男3兄弟で家事をこなしてきた実績を持つ男の手は、相変わらず手慣れている。
流した洗い物を最後に水きりに置いていく──そんな相川の姿を、ソファーから見ていた。

アパートには備え付けの食器洗浄機も勿論ある。
けれど、相川は「こっちの方が早いから」と、洗う手間を惜しまない。料理も掃除も洗濯も、果ては七王の世話まで何から何まで惜しむことなくやってくれる。

「…こんな優良物件、そうそういないよな」
言葉と共にほう…っと、その幸せを噛みしめる。

「…どうしたんですか?七王さん」
久遠は即座にそんな七王の様子を気にとめた。

「んー?何でもねぇよ…?」
頭をこてんと、剥き出しの白い膝に七王は預ける。体育座りをした細い脚は、その長さの分だけ、白くなめらかな肌を強調していた。

この゛イイ男˝に(今夜たっぷり奉仕して相川をねぎらってやろう…)と内心舌なめずりしながら、七王は綺麗な笑顔を返した──。

Fin

A Simple Life ~
A Simple Life ~ / Lisa Sabater-Mozo


君子様の相談室
(※相談者のプライバシー保護のため、匿名で相談を受け付けていますわ。お察しくださいね。by白羽君子)

act.1 ある青年の場合

「…困ってるんです、本当に」
眉間に皺を寄せ、如何にも深刻そうに語る゛男前˝は、そう口火を切った。

「…あら、どんなことかしら?」
対して、君子はその美しい指先で高価なティーカップを傾け、青年に答えを乞う。

「…恋人が、魅力的過ぎて。日々あの人が美しく麗しく見えるし、愛おしく思えて仕方ないんです。そして何と言っても!……だんだんあの人が淫らに見えてきて…。あの人が纏う色香に、瞳に、つい所かまわず四六時中襲いたくなって困ってるんです」
「…あら、仲がよろしくて大変良い事ね」
君子は青年の切羽詰った告白に、ふふっと軽く微笑んだ。手入れされたその美しい爪先が、手元のティーカップを優しく撫ぜる。

「…良いんじゃなくて?別に」
「え…?」
君子の思わぬ容認に、青年は戸惑う。

「…むしろそんなに愛おしく思える相手と生きている間に、出会っている事自体が奇跡のようなものよ。誰しもなかなか出会えるものじゃないわ。だから、貴方は感情をセーブするんじゃなくて、その貴重な想いをこれからも、大切に育んでいったらいいんじゃないかしら?」

君子の肯定的な意見に、青年は思わず目を見張る。てっきり、少し落ち着いてと言われると思っていたからだ。

「…それに弟は…いえ、その相手の方も、きっと体が限界になったらなったで、もう無理だって貴方にちゃんと伝えると思うわ。最も愛しい相手に、可愛く健気なお願いをされたら、流石に貴方も聞かずにはいられないでしょ?だから暴走しそうで恐ろしいとか、相手を愛しすぎて壊しそうだとか、何も心配することないわ。どんどん、これからも盛んに2人で愛し合えばいいのよ。─ね?」
気高さと美麗さを兼ね備えた君子は、何もかもを見透かした上で、相談者に優しく微笑んだ。

「…──ッ、ありがとございます…!お義姉さん…っ!!」
自身の思いを全容認した上に、あたたかく背中まで押してくれた君子に、相談者は感極まって叫ぶ。

「…あら、(相談者が)ばれてしまうわよ…」
ふふっ…と君子はそんな青年を柔らかに見やり、またティーカップを優雅に傾ける。
カップの中の飴色の液体にそんな青年の姿が一瞬反射していた。
そうして、君子は綺麗に全てを飲み干した──。

Fin

Afternoon Tea on lawn 2, Summerville.JPG
Afternoon Tea on lawn 2, Summerville.JPG / Ceylon Tea Trails


君子様の相談室
(※最近うんざりとした悩ましい表情を時々していたので、捕まえて話を聞くことにしましたの。by白羽君子)

act.2 ある学生の場合

「─さぁ、一体何で困ってるいるのか、早速聞かせてもらおうかしら?」
「…もうとっくにご存知でしょうが、最近、あるどうしようもない人のことで困ってるんです」
艶やかな黒髪に、整った風貌を兼ね備えた人物は君子にそう切り出した。

「…あら、具体的にどんなことかしら?」
「…そうですね、例を言うと…夜中にベッドに入ってきたりはほんの序の口で、成長度合いが知りたいと、人の×××を物差しで測ろうとしてきたり、人の入浴中にいきなり入ってきたり…」
「…それはいつものことじゃないかしら?仲が良くて微笑ましいわね…」
「…いつものことですまさないでください!最近特にヒートアップしてきて困ってるんですから…」
ふふっと軽く笑った君子に、美青年はげんなりした様子で応えた。

「特に困るのが何と言っても最近の゛ノロケ˝です。やれ、同棲相手に嫉妬されて嬉しいやら、身体中に歯型を始めとした跡をつけられて、着る服に困ってるどうしよう…とか、おまけに些細な喧嘩をしたら、深夜でも構わずちょっとしたことでも電話してきて…たまったもんじゃありません!」
「…とか言いながら、貴方も着信拒否や無視をしたりせず、律儀に深夜でも電話に出てあげてるのね。何だかんだその人のことが心配なのね、優しい事…」
「そんなんじゃないです。スルーしたりすると、嫌がらせされたり絡んできたりと、後々面倒なことになるから出てるだけです」
「分かるわ。喧嘩するほど仲が良いってことね…うっとうしいとか言いながらも、実は大切なのよ…」
何も聞かずとも分かると言った風に、うんうんと君子はうなずく。

「──人の話、聞いてますか?とにかく距離の詰め方がおかしい人に俺は心底困っているので、そろそろ、あの人に大人になって適切な距離を学んで欲しいと思ってます。所謂、弟離れってやつですね」
「まぁ、それは無理な話ね。諦めなさい」
「…話を聞くだけ聞いておいて、全く解決策を考えてくれないって、全然相談になってませんが…」
キッパリと言い切る君子に、帝は冷めた視線をおくる。

「…まぁそれは一種の甘えみたいなものだから、仕方ないわよ。ああ見えてあの子、とても繊細なのよ?図太い…いえ、しっかりした貴方に甘えて、他人には決して言わない本音を隠さずに言ってくれるなんて、心を許している証拠と言えるのじゃないかしら?まさしく信頼の証ね」
そう言ってにっこりと微笑む君子。

「…上手いことまとめましたが、途中で何か失礼なことを言いかけましたね…」
「あら、そんなことないわ。褒めてるのよ?」
憮然とした表情で告げる相談者に構わず、君子は応酬する。
「…で、結局俺はこれからも兄さんのある意味はけ口として、いじられ続ける日々を忍耐強く我慢するしかないってことですね?」
納得できないし、いじられたくない、心底うっとうしいと顔に表して帝は言う。

「あら、私も貴方達2人まとめて、存分に可愛がってあげるから心配することなくてよ?本当の意味で貴方達をいじって良いのは、まさしく私の特権ですわ」
ふふっと、女王然とした微笑みで君子は事実を告げる。

「……姉さん……」

その言葉を受けて、帝は最初から相談するんじゃなかった…と心底思い、がっくりとした。
兄弟が君子の趣味(コスプレ)に付き合わされる日々に、あいにく終わりは見えそうになかった──。

Fin

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Afternoon Tea at Titanic Belfast / Titanic Belfast


以上、Twitterに投稿していたものをまとめてみました
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